派遣社員による雇用の増加を目指して
昨今、コンビニでもスポット派遣など活用されるようになっていますが、派遣とはそもそもは、高度技術者を企業に送るものであり、緊急事態を補うものではありません。
スポット派遣も一日だけなどの短期が主流で、人材不足が嘆かれる現代において、企業としてはもっと長く働いてほしい人材を求めていると言えます。
人材派遣=割高な社員及びバイトというイメージはとても根強いです。
時給1200円で集まらない求人を派遣料金1800円で頼むと1時間あたり600円のコストになります。
経営者からしてみれば時給1800円にすれば、人は集まるのではないかと思うかも知れませんが、この600円をコストと考えるのはちょっと早とちりではないでしょうか。
想定(一般的) | コスト試算 | |
派遣社員 | 1日労働:7.5時間 月残業:15時間 月総計:170時間 時給:1800円 |
150時間×1800円×12ヶ月 =324万円(所定) 20時間×2250円×12ヶ月 =54万円(残業) 所定+残業=468万円 |
直接雇用 (正社員または契約社員) |
基本給:20万円 残業手当:3万円 賞与:3.5ヶ月 法定福利費:年収の10% 交通費・その他手当:月3万円 |
(20万円+3万)×12ヶ月 =276万円(A) 20万×3.5ヶ月=70万円(B) (276万+70万)×10% =34.6万円(C) 3万×12ヶ月=36万円(D) A+B+C+D=416.6万円 |
上記はよくある派遣社員と直接雇用のコスト比較表になります。
この表をみてもらうと派遣社員の方が年間51.4万円高いように見えます。ですが、採用コストや教育費、管理費を含むと派遣は高コストとは、言えないのではないでしょうか。
「採用コスト」「教育費」「管理費」を含んだグラフが一番上部にあるものになります。派遣社員ならこのすべてを担うことが出来、かつリスクを回避することができるとは思いませんか。
居酒屋でアルバイトを採用したのにいつまでもオーダーすら取れない人材や資格取得を目的としているのにいつまでも試験に合格しない人材など直接雇用は求職者にメリットはあっても企業側にもメリットがあるとは言えない状況ではないでしょうか。
高度技術者から短期、スポットへと変化している派遣業界は今、新しいステップへ向かおうとしています。派遣が変化するように企業の採用にも変化が求められているのです。
派遣会社と一括りで言っても様々な形態があり特色があります。派遣社員に働かせて会社はピンハネするというのは今や過去の話です。派遣会社も社員がより働きやすい環境づくりを日々行っています。企業の採用担当の皆様も会社や自分のビジョンに近い派遣会社を見つけ、ともに人材の活用そして活躍の場を作っていく時代が今まさにやってきているのではないでしょうか。
「採用コスト」「教育費」「管理費」について
派遣が担うのは「採用コスト」「教育費」「管理費」の3つと書きましたが、この3つにはどのようなものがあるでしょうか。この機会にもう一度考えてみましょう。
■採用コスト
採用コストにおいて一番のコストは「掲載媒体」です。
大手広告媒体は月20万程度掛けていると言われています。新卒向けの広告媒体であれば、1シーズン150万円が主流の為、月50万円程度の費用が掛かります。
また、説明会など採用に掛かるコストは多く存在すると言えます。
■教育費
新卒、中途、アルバイトなどどのような形態においても自社雇用する際は全員が業界に精通しているとは限りません。全くの未経験者も中にはいると思います。
そのような人材の育成には必ずコストが掛かります。もちろん、そのようなコストは必要経費であり無駄というわけではありません。育つ人材であれば有益な投資と言えます。ですが、逆だったらどうでしょうか。コストを抑えたいと考えるのであれば、そういったリスクを回避することも大切です。
■管理費
管理費は直接雇用を行うには多岐にわたり必要となるコストです。派遣社員であれば、給与計算一つとってもすべて派遣会社に任せることが可能です。この管理費は事務員などを減らすというコスト削減より裁量を軽くすることによる働
きやすい環境づくりが可能になると言えます。
この3つのコスト面を含め考えていくと派遣社員=コスト増大と一言で考えてしまうのは勿体ないとは思わないでしょうか。
直接雇用による新卒など社員育成は必ず必要なものではありますが、率先力として業務やプロジェクトを行っていく場合において、育成だけを行っていては企業の拡大は行えません。
「未来」を見据えることと同じように「今」を考えることも採用にとっては重要な側面です。そのような「今」を作るのが派遣社員ではないでしょうか。
派遣社員は未来がないであるとか、安定がないなどと昨今、言われてはいますが、派遣会社はこの現状を変えようとあの手この手で新しい提案を日々行っています。
企業の皆様にも雇用の拡大及び、人材の活用において派遣社員を使っていくことは決してコスト面だけの話ではなくなっているのではないでしょうか。
今すぐ教育を受けているまたは経験のある人が欲しい。資格を持っている方が欲しいなどそういった要望にお応えすることが出来るのが派遣会社です。
派遣社員のデメリットを解消し、企業におけるコストを軽減する。今の時代を作る派遣の形が目の前まで来ているのかも知れません。
日々変化する採用活動。今、その変化に新しい風が吹いています。